研究課題/領域番号 |
19206039
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
石原 宏 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60016657)
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研究分担者 |
大見 俊一郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (30282859)
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キーワード | 有機強誘電体 / 有機半導体 / フレキシブルメモリ / 強誘電体ゲートトランジスタ / PVDF / TrFE |
研究概要 |
本年度は、有機強誘電体とSi基板との組み合わせ、有機強誘電体とp型の有機半導体であるペンタセンとの組み合わせについて、ダイオードならびにトランジスタを作製し、メモリ特性を検討した。 有機強誘電体であるP(VDF/TrFE)(ポリ弗化ビニリデンと三弗化エチレンの共重合体)に関しては、昨年度の研究によりPMMAを4~8重量%程度添加すると、分極疲労特性、ならびにデータ保持特性が改善されることが明らかになったので、今年度はPMMAを4重量%添加したP(VDF/TrFE)を用いて、Si基板上にトランジスタを作製した。トランジスタを作製する場合には、ソース、トレイン領域に電極を取るためにP(VDF/TrFE)膜にコンタクト穴をあける必要があるが、通常の酸素プラズマエッチングを用いるとSi基板が損傷を受けるので、O_2とKrとの混合ガスを用いて、エッチングを行った。作製したトランジスタは良好なメモリ特性を示し、トレイン電流-ゲート電圧特性におけるヒステリシス幅(メモリ幅)は、掃引電圧11Vにおいて5V、電流オンオフ比は10^7、ゲートリーグ電流は2×10^<-10>Aであった。また、書き込みパルス幅の最小値は100msであった。 全有機メモリの作製に関しては、ペンタセンとP(VDF/TrFE)との組み合わせにおいて、トップゲート型トランジスタを作製するための基礎研究を行った。P(VDF/TrFE)の表面は凹凸が大きいことが知られているので、基板上にペンタセンを直接堆積できるトップゲート型の方が、移動度の高いデバイスが作製できると考えている。しかし、この方式には、P(VDF/TrFE)の堆積時にペンタセンが劣化するという問題があるため、今年度は各種溶媒によるペンタセン膜の劣化の程度を検討した。
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