研究課題/領域番号 |
19206045
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笹田 一郎 九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (20117120)
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研究分担者 |
神鳥 明彦 (株)日立製作所, 基礎研究所, 主任研究員 (90416991)
林 則行 九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (30156450)
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キーワード | 磁気シールド / 分離可能型 / 心磁界 / SQUID / 生体磁気 |
研究概要 |
1.シールドの基本設計 (1)磁気シェル構造有限要素法を用いて、シェイキングコイル構造とシェイキング磁界漏洩の大きさを詳細に検討した結果、2つのシェイキングコイルを互いに逆相で用い、振幅比を外側コイル:内側コイル=1.8:1程度にすれば最小化できることを示した。計算と平行して実用規模の1/3のモデル(円筒部内径20cm、長さ60cm)で順次改良を重ね3個製作し、シェイキング漏洩磁界を10nT程度まで低減できた。 (2)シェイキングは400〜1000Hzの交流電流を用いるので、1/3モデルの磁気シェルの厚さを単に3倍したのでは表皮効果のために十分なシェイキング効果が得られないことが実験により明確になったので1つの磁性層を厚み方向に2分割し厚みを半減し、各分割された磁性層毎にシェイキングコイルを設けるよう設計変更した。(3)能動補償のためのコイル位置の詳細な設計を有限要素法によって行った。 2.新しいアイデアによる付加機構・装置の開発・試験 (1)まずフラックスゲートの改良を行った。負帰還回路を新たに設計し感度係数の決定の容易かと線形性を確保した。(2)1/3モデル磁気シールドに能動補償コイル系、フィードバック電子回路系からなる能動補償機構を組み合わせ、低周波領域の実験によって計画通りに動作することを実証した。 3.最終的に16チャンネルとするSQUIDシステムの設計 ピックアップコイル径2cm、ベースライン5cmの軸型1次微分DROS(平均白色雑音3.5fT/√Hz@100Hz)を用いる16chセンサ系、デュワーおよびインサートを設計製作した。16chの計測カバー範囲は対角14cmの正方形。デュワーは、全高1.1m、外径27cmの単純円筒型である。 4.4チャンネルSQUIDシステムの組み込み・評価(初年度は4チャンネル) デュワーの真空排気、冷却、研究室環境でのSQUIDのテストは全て設計通りの結果を確認した。
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