研究課題/領域番号 |
19206048
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上田 多門 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00151796)
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研究分担者 |
後藤 康明 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90170472)
長谷川 拓哉 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30360465)
濱 幸雄 室蘭工業大学, 工学部, 准教授 (70238054)
桂 修 北海道大学, 北海道立北方建築総合研究所, 研究科長 (40462329)
田口 史雄 北海道大学, 独立行政法人土木研究所・寒地土木研究所, 上席研究員 (80414184)
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キーワード | 寒冷地 / コンクリート構造物 / 複合劣化 / マクロスケール / メソスケール / 耐久設計 / 維持管理システム / 劣化度評価指標 |
研究概要 |
本年度の研究成果の概要を以下に示す。 (1) 複合劣化シミュレーションに必要な, 疲労および持続荷重下のコンクリートの挙動を再現するために開発した数値解析プログラムの解析精度を大幅に向上させた. (2) 乾湿繰返しによる耐凍害性の低下に対しても適切な量と質の空気泡を連行することで凍害劣化を抑制することは可能であるが, 一般的に推奨されているよりもやや大きめの気泡径の空気量が必要であり, 特に直径100〜500μmの区間空気量が多いほど有効といえることを明らかにした。 (3) アクリル系蛍光塗料を用いた凍害劣化(マイクロクラック)の観察手法を見出した。 (4) 凍害を受けた構造物および室内実験で取得したデータの分析を行い、材料の力学特性および拡散係数の低下に及ぼす凍害の影響について定量的に明らかにした。 (5) 実構造物では、凍結融解作用を受ける際の内部相対湿度による影響が非常に大きいことを、実物大供試体を用いた暴露試験を通じて確認した。 (5) 表面被覆または表面改質を行ったコンクリート内部に温湿度センサーを設置した試験体の屋外暴露を行い、表面被覆の物質透過性の違いによって内部湿度が異なること、また、表面改質を行ったものと行わないものでは内部湿度は大きく違わないことを明らかにした。 (6) 鉄筋コンクリートはり部材の凍結融解試験を通じて、構造物レベルの劣化度を超音波伝播速度の変化により評価する場合の留意点を明らかにするとともに、凍害劣化が部材の耐力、変形性能、破壊モードに及ぼす影響を明らかにした。
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