研究分担者 |
及川 康 群馬大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70334696)
金井 昌信 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20375562)
結城 恵 群馬大学, 教育学部, 准教授 (50282405)
渥美 公秀 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 准教授 (80260644)
淺田 純作 松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 准教授 (90342542)
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研究概要 |
本研究課題では,平成19年度において,災害に強い地域社会の形成技術を具体化するうえで必要不可欠である基礎的な知見を得ることを目的として以下のような研究成果を得た。 (1)過去の災害経験や災害知識等の世代間伝承の実態把握:津波常襲地域である岩手県釜石市を対象に実施した児童とその保護者の津波に関する知識と意識に関するアンケート調査の結果より,新世代から子世代への津波に関する知識の伝承経験が現象していること,そしてそれによって,子どもは津波避難に関する知識が欠如しており,また世帯内での津波襲来時する相談ができていないことが明らかとなった。 (2)行動指南型ハザードマップの試作:災害に強い地域社会の形成に向けて地域住民とコミュニケーションをとることが困難な都市部(名古屋市中村区)を対象に,洪水発生時の具体的な避難行動を示したハザードマップ(行動指南型HM)を試作し,その公表効果を検証した。検証の結果,洪水発生時に自宅待機可能な住民に対しては,従来型のハザードマップよりも行動指南型ハザードマップを閲覧した住民において危険行動をとろうとする割合が低いことが明らかとなった。この結果より行動指南型ハザードマップの公表が,洪水時の安全な避難行動の促進に対して一定の効果があることが確認された。 (3)多文化共生社会における防災戦略シナリオの検討:異なる国籍の住民が多く混在する英領西インド諸島タークスアンドケイコスを対象に,防災戦略として,災害発生危険時の情報伝達方法と平常時の防災意識の啓発方法について検討した。まず情報伝達方法については,携帯電話を用いた多言語情報発信の有効性についてシミュレーションにより確認した。防災意識の啓発方法については,子どもを介した親への情報発信を目的に児童を対象とした防災教育を実践し,課題の整理を行った。
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