近年、焼却残渣埋立比率の増加に伴い、浸出水中の無機塩類が高濃度となっており、その結果、生物処理では塩化物イオンによる硝化阻害等の問題が生じている。このため、既存の生物処理技術においては、エアレーション等の多大なエネルギーや長い処理時間が必要とされ、維持管理も困難になっている。そこで、スポンジを微生物の増殖担体とした好気性処理法であるDHSとUSBを組み合わせ、浸出水処理中の窒素除去を目的として低コストで維持管理の容易なシステムを開発した。その結果、アンモニア負荷速度0.30kgN/m^3/dにおいて、DHSでは無曝気運転にも関わらずアンモニア除去速度0.27kgN/m^3/dを示した。システム全体でも浸出水中の窒素の91%を除去することができ、本システムの省エネルギーな浸出水処理技術としての適用性が示唆された。またDBSの特徴として、(1)スポンジ内部いまで高濃度に汚泥を保持できること、(2)無曝気でも十分な酸素が取り込めることが既往の知見としてある。そこで、スポンジの汚泥補足能力と酸素供給能力に着目し、物理化学的特性について検討した。その結果、30mm角スポンジ(セルサイズ1.25mm)を使用した際に優れた汚泥保持能力を示し、スポンジサイズが小さいほど酸素供給能力に優れ、汚泥付着後のスポンジでもクリーンスポンジと同等の酸素供給能力を有することが明らかとなった。
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