研究課題
発展途上国において汚染された水に起因する疾病は、深刻かつ緊急に対策を講ずる必要性を有する環境問題である。アジアの開発途上国では生活排水・産業廃水等が未処理のまま放流されており、そのため公共水域の汚染が深刻化している。従ってこれらの諸国においては、安全な水資源と水環境を確保することが非常に困難な状況にあり、これらの途上国が適用可能な、"self-sustanable"な下廃水処理システムの整備が求められている。申請者らが長年にわたって開発してきた新規廃水処理リアクタースポンジ担体懸垂型リアクターDHS(好気性処理プロセス)は,曝気不要の省エネルギー・環境低負荷型の新規下水処理装置である。本提案システムは,下水以外の廃水にも適用可能である可能性を有している。本システムの適用廃水種を拡大し、途上国に適用可能な無曝気・超省エネ方式の次世代型下廃水処理システムを創成する。まずDHSリアクターのスタートアップ処理性能について詳細な把握を行った。有機物除去、SS除去、アンモニア除去に加え、スポンジへの汚泥の捕捉程度などについて解析した。また、DHSの高塩分濃度環境下での有機物およびアンモニア除去に関して、連続運転を行い、その微生物群集構造解析も行った。この他、埋立地浸出水処理への適用性についても連続運転を行い、その適用性拡大について評価を行った。この他、DHSの前段にUASBを設置せず、初沈越流水をそのままDHSリアクターで処理する方法についても検討を行った。またインドでの本技術の普及のために必要なデータベースを構築すべく、現地研究者の協力の下、リアクターの基礎的知見の収集を行った。
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