研究課題/領域番号 |
19206061
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 信介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00142240)
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研究分担者 |
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90251470)
黄 弘 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (30376636)
陳 宏 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (10401275)
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キーワード | リバースシミュレーション / CFD / 応答係数法 / ソース同定解析手法 / 時間逆解析 / 風洞実験 |
研究概要 |
本研究は建物及び市街地における流れ場の実用的な逆解析手法を開発し、大規模災害や日常災害における汚染源位置と強度の特定と環境影響を明らかにし、その対策に貢献することを目的とする。本研究は、結果(現在)から原因(過去)を推定する「逆解析(inverse analysis)」を流れ場に適用し、その実用手法を開発する。リバースCFDは、極めて詳細な情報を提供する。しかし、十分な空間解像がなされた3次元の非定常シミュレーションのため、莫大な計算量が必要となる。本研究ではこの詳細かつ重い解析に加えて、原理的な精度と信頼性は同等程度に確保しつつ、より計算量が少なくて済む解析法を新たに開発する。本年度は、 1.逆解析の理論構築:拡散現象は時間逆転シミュレーションを行うことは難しい。「リバースCFD」の過程で小さなスケールでの負拡散効果を減衰させる制約条件を見出す必要がある。一方、応答係数法による流れ場の汚染拡散場解析は、まず基礎となる流れ場を乱流の数値シミュレーションにより解析し、この流れ場を固定して、任意の地点でパルス状の汚染発生をなして、その濃度応答を室内各点で非定常拡散場解析によりもとめ、実際の非定常拡散場は求められた応答係数の畳み込み積分により算出する。本研究では、「リバースCFD」、「応答係数法」における逆解析とGAによる最適探査の理論構築を行った。 2.逆解析シミュレーションソフトの開発と実行:「リバースCFD」と「応答係数法」のそれぞれの手法に関してシミュレーション用のソフトを開発した。それぞれ室内の閉鎖空間と建物周辺や屋外の流れ場の双方で実行し、その有効性を検討した。 3.シミュレーションの信頼性、精度を検証するための模型実験:実験は、室内の閉鎖空間と建物周辺や屋外の流れ場の双方で、任意の汚染発生源を検知する複数のセンサー位置での濃度応答をトレーサーカス実験により採取し、事故などにより毒性ガス等が漏洩した場合を想定し、連続発生およびステップアップ発生により、対象とする空間の濃度時系列変化を把握し、パルス発生に対応した応答を求めるよりパルス発生の場合について検討した。 4.シミュレーションと実験の相互比較:シミュレーションと実験の相互比較と問題点の抽出を行った。
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