研究課題/領域番号 |
19206062
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
大鶴 徹 大分大学, 工学部, 教授 (30152193)
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研究分担者 |
河井 康人 関西大学, 工学部, 教授 (70121796)
藤野 清次 九州大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40264965)
秋田 昌憲 大分大学, 工学部, 教授 (40192900)
佐久間 哲哉 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (80282995)
坂本 慎一 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80282599)
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キーワード | 建築環境・設備 / 建築音響 / シミュレーション / 可視化・可聴化 / バーチャルリアリティ / スーパーコンピューティング |
研究概要 |
建築空間を舞台とする音響に関した実在の系とそのシミュラークルを科学的に比較するための基盤技術整備とデータベースの提供を最終目標として、初年度は以下を実施した。 1 音響数値解析技術 (1)計算の効率化:コンサートホール(37000,13000m^3規模)、事務室(70m^3)、講義室(360m^3)を主たる対象に、反復法と並列化に関するスーパーコンピューティング手法を検討した。その結果、有限要素法による時間領域音場解析の場合、フィルイン無しのIC分解(前処理)が最大で55%の計算時間の短縮効果を発揮する反面、約40%の記憶領域の増加を招くこと、またElement by Element法を適用した並列化は理論に従いCPU数にほぼ比例した高速化が期待できること、などを明らかにした。 (2)境界のモデリング: 複雑な吸音境界をモデリングするためのインピーダンス設定について、講義室を対象にインパルスレスポンス実測値と計算値の比較等を実施し的確なモデリングに際し考慮すべき要因として周波数と材の吸音特性が重要なことを明らかにした。また、既存建築物の複雑な形状のモデリングを簡略化する方法として、3次元レーザー計測技術の導入を図った。 (3)知覚評価:可聴化に応用するためのインパルスレスポンスとして、寺社建築2棟、木造住宅居間1棟、を収集した。また、コンサートホールや講義室、残響室などの音場の可視化について、年度途中に新たに九州大学に導入されたAVSの利用を試み、次年度以降の活用に備えた。 2 データベース:大分大学のBenchmark Platform on Computational Methods for Architectural Acousticsの活用を図るとともに、音場数値解析に関連する文献のデータベース構築を開始した。
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