研究課題/領域番号 |
19206071
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三浦 誠司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50199949)
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研究分担者 |
毛利 哲夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20182157)
滝沢 聡 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20240632)
渡辺 精一 北海道大学, エネルギー変換マテリアル研究センター, 教授 (60241353)
大笹 憲一 秋田大学, 大学院・工学資源学研究科, 教授 (90111153)
三島 良直 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00143660)
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キーワード | 一方向凝固 / 高温強度 / 靭性 / ニオブ / シリサイド |
研究概要 |
前年度の結果に基づいてそれらをさらに進展させ、組織制御の支配因子およびその機械的性質への影響を明らかにすることを目的とした。 凝固速度と棒状ニオブサイズおよび共晶セルサイズの関係をさらに定量的に把握するために行った1.5~1500mm/hの凝固速度範囲での一方向凝固実験から、150mm/h以上の速度であれば高速凝固と同様の組織形成がなされることを、組織形態および相の方位関係の定量的解析から明らかにした。工学的見地からするとこれは、一般的な一方向凝固と比べて比較的短時間でありながら一般的な凝固設備で達成可能な無理のない範囲での熱流制御が組織形成に適していることを示しており、工業的に有用な知見であるといえる。凝固方向に2ミクロン毎の研磨とSEM組織観察を繰り返すシリアルセクショニング手法を適用することで、棒状ニオブ相の3次元形状を明らかにし、熱処理によってさらに巨大なニオブ粒形成が可能であることを明らかにした。これより、さらなる高靭性/高耐熱性合金への組織制御展開が開けることが明らかとなった。 融点低下や強度向上などのための添加元素選択の可能性を拡大するために合理的な合金設計手法確立を目指し、Nb_3Si相の熱力学的安定性を大きく変化させないという条件の実験的追求を試みた。Nb_3Si相に対する安定化元素と不安定元素の同時添加から、共晶-共析という基本的な組織形成過程を維持したまま、合金設計が可能である事が明らかとなった。これにより、構成相の安定性制御が合金設計手法として有効であることが明らかとなった。また、添加元素の構成相間の分配傾向を明らかにし、これを参考に強化相Nb5Si3の強度と破壊靭性値に及ぼす添加元素の影響を明らかとした。 In-situ亀裂進展観察より、亀裂が断続的に進展して行くことが明らかとなり、高靭性ニオブ相によって亀裂進展が抑制されるという仮説が検証された。
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