研究概要 |
・磁場中比熱測定測定:超伝導磁石を本年度予算で設置し磁場中比熱測定が可能となり、LnN系の比熱データの蓄積を開始した。HIP法による調密なシート状の希土類窒化物の試料を合成し、比熱と熱伝導の測定に供した。 ・材料の安定化、実用材料化:炭素熱還元法で得たLnN試料の酸化活性を低減する方策として第三元素の添加を試みた。しかし有効な添加剤の発見には至らなかった。しかし、希土類の球状金属材料をHIP法で窒化じた窒化物の耐酸化性が良好であることを見出した。さらにこれにコーティングすることで乾燥大気中では数十時間の耐候性を持つ材料とすることができる感触を得た。 ・希土類窒化物の探索:これまでにデータの報告のなかったNdN, SmNをHIP法で合成し、比熱を測定し磁気変態に伴う異常比熱を利用した蓄冷材としての評価を行った。どちらもすぐに実用化できるほどの大きさではなかった。GdとHoに非磁性の希土類であるYやLa、或いは磁性が殆どないと言われるYb, Ceを加えた場合の両者の磁気転移温度の変化を探索する実験をおこなった。この試料は炭素熱還元法で合成した。どちらの場合も磁気転移点は低下することを見出した。また転移に伴う磁気エントロピー変化△Sは添加元素による希釈の効果で説明され、エンハンスは見られなかった。 ・水素液化磁気冷凍システムのシミュレーション:過去に実施した磁気冷凍システムのシュミレーションコードに実測した△Sなどのデータをインプットした計算を行い、水素液化のエネルギー効率の評価の精度を向上させた。
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