研究課題/領域番号 |
19206074
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 孝夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00174798)
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研究分担者 |
清野 智史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90432517)
楠瀬 尚史 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (60314423)
中川 貴 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70273589)
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キーワード | 磁気冷凍 / 比熱 / 蓄冷材 / 窒化物 / 希土類 |
研究概要 |
◆ 本予算で整備した装置(PPMS)を用いて、対象とする希土類窒化物の比熱を磁場印加時も含めて測定した。磁気転移点で顕著なピークを確認した。測定した比熱曲線からエントロピー曲線を計算し、磁気エントロピー変化△Sと、断熱消磁温度降下△Tを算出した。 ◆ 希土類窒化物の電気伝導度の測定(磁場印加時も含めて)を開始した。磁気転移点で電気伝導度が大きく低下する逆ピークをGdを除く元素の窒化物で観測した。また、同装置を用いて、交流磁化の測定も行い、対象とした全ての希土類元素の窒化物で、磁気転移点で顕著なピークが得られることを確認した。 ◆ 直径1ミリ弱の球状Gd金属材料を出発物質として、HIP処理条件を最適化することにより、窒化に伴う亀裂を発生させることなく球状GdN材料を安定に数百グラム合成することに成功した。この材料を、独立行政法人物質材料研究機構に設置されている磁気冷凍試験装置に装架し、52~67Kの温度領域で、1~4Tの間の磁場変動を与え、AMRサイクルによる冷凍試験を実施した。これにより約5度の温度降下が得られることを確認した。この温度領域での世界初の磁気冷凍サイクルの作動が確認された。 ◆ 表面に銀をコーティングし、酸化耐性を大きく向上する技術を開発した。この方法によれば、室温の飽和水蒸気圧の湿潤条件のもとで24時間放置しても、磁化の低下は1%程度に抑制されることを確認した。なお上記の磁気冷凍実証試験は、コーティングを施さない裸の材料で実施した。
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