研究課題/領域番号 |
19206079
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大坂 武男 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80152099)
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研究分担者 |
北村 房男 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (00224973)
岡島 武義 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (70194347)
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キーワード | 電解析出法 / 金属ナノ微粒子 / 電極触媒 / 酸素還元 / マンガン酸化物 / 酸素生成 / ナノサイエンス / ナノテクノロジー |
研究概要 |
本研究は、金属ナノ微粒子の"extra-ordinary electrocatalysis"の本質を解明する糸口として、金属ナノ微粒子のサイズ、結晶面、モルフォロジーなどが電極触媒能や電極反応機構にどのように関連するかを明らかにすることを目的とし、次の成果を得た。 1.イオン液体(1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなど)中で[AuCl_4] ̄のAuへの電析と[AuCl_4] ̄の[AuCl_2] ̄への電解還元、さらに[AuCl_2] ̄の[AuCl_4] ̄とAuへの不均化反応で得られる金ナノ微粒子の各単結晶面の表面積比が大きく異なり、後者の方法で得られる金ナノ微粒子のAu(110)面が96-99%であり、ナノ粒子のサイズやモルフォロジーに加えて結晶面の制御が可能であることを見出した。 2.多結晶金電極においては、Au(111)とAu(110)面およびAu(100)面ではそれぞれ酸素の2電子および4電子還元反応が起こることに着目し、Au(111)面に4電子還元触媒能を有する白金のナノ微粒子を選択的に電析させ、酸素の4電子還元能の向上を実現した"白金ナノ微粒子修飾金電極"を構築することに成功した。この場合、Au(111)面以外の結晶面にシステインの自己組織化単分子膜(SAM)を形成し、白金ナノ微粒子をAu(111)面にのみ選択的に電析している。この修飾電極は白金に優る酸素還元触媒能を有することがわかった。 3.電解析出法で作製したナノ金微粒子/マンガン酸化物ナノ微粒子(Nano-MnOx)複合触媒およびコバルトフタロシアニン/Nano-MnOx複合触媒がアルカリ水溶液中で酸素の4電子還元反応に対して優れた触媒能を有することを見出した。 4.溶融塩中で電析したタンタル被覆白金電極を酸素雰囲気下で熱処理して作製したTa_2O_5被覆白金電極は、水素原子のスピルオーバー・逆スピルオーバー能を有し、新規な水素吸蔵・放出電極材料として期待できることを明らかにした。
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