研究課題
20年度は、主として以下の3つの実験を行った。高解像度ICCDカメラの導入により高精度な計測が行えるようになり、またエッシェル分光器を用いて発光分光を同時に行った。1. ガラスレーザー(波長1.053μm)を用いたプラズマ着火の場合の爆轟波終了条件と爆風波変換効率の計測 購入した高出力ガラスレーザー(2J/pulse)を使用してレーザー支持爆轟波を誘起した。その結果、レーザー支持爆轟を維持するためのレーザー強度閾値は、炭酸ガスレーザー(波長10.6μm)の場合よりも3ケタ大きかったが、爆風波変換効率はほぼ同じ40%程度であった。波長が短くなったことに伴う吸収係数の減少を、電離度の上昇によって補ったものと推測される。今後の数値解析との比較検証に供しうる、貴重なデータである。2. 二波長マッハツェンダー法によるより精密な密度分布測定 空間精度の高い干渉縞計測を行った結果、レーザー支持爆轟波が維持されている時間帯には、衝撃波よりも前方にプリカーサー電離領域が存在することが示唆された。理論的には予測されていたが、初めて密度分布が計測された。もう少し計測データを増やしプリカーサーの存在を確認する必要がある。3. 発光分光法による電子温度計測 ボルツマンプロット法によって電子温度を求めた結果、レーザー支持爆轟波が維持されている時間帯は、20,000Kを上回る温度を示した。ほぼ局所熱平衡にあることも分かった。この温度の電子から放出されるフォトンによって上記のプリカーサー電子が維持され得るかどうか、今後解析的な検証を行いたい。
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