研究課題/領域番号 |
19206089
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐宗 章弘 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40215752)
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研究分担者 |
酒井 武治 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90323047)
森 浩一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90375121)
松田 淳 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80415900)
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キーワード | 抗力 / レーザーパルス / 超音速流れ / プラズマ / 数値流体力学 / バロクリニック効果 / 流体不安定性 / エネルギー付加効率 |
研究概要 |
試験部断面80mm×80mmの吸込み式超音速風洞(マッハ数=2.0)を設計製作し、軸対称モデル周りの流れ場及び抗力の計測実験、およびそれに対応する数値シミュレーションを行った。抗力測定のため、風洞内のモデルをピストンとみなし、シリンダー部(ピストン背後)を調整することによって、ロードセルの負荷を適切な値にする、方法を考案し、抗力低減量測定に応用した。レーザーパルス繰返し周波数最高10kHz、最高出力70Wの条件でレーザーパルスをモデル上流で集光させることによって、レーザー加熱領域が形成され、時間平均抗力が低減することを実証した。投入パワーの制約から、抗力低減量は3.5%程度にとどまったが、エネルギー付加効率(投入レーザーパワーに対する推進仕事の減少量の比)は、最高10(1000%)に達した。抗力低減メカニズムについては、光学可視化実験と数値シミュレーションを併用することにより、バロロクリニック効果による渦輪の形成などについて、理解が深まった。流れに実効的に入力されるエネルギーを30%であると仮定した場合、実験と数詞シミュレーションの結果が良い一致を見た。レーザーパワーに対する抗力低減量は、ほぼ線形関係にあったが、10kHzの最高繰返し周波数では、その低減量が線形関係を下回る結果となった。これは、この条件で流れ場とレーザー光の干渉が起こるためであると考えられ、その解決が次年度の最優先課題となった。
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