研究課題/領域番号 |
19206092
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋元 博路 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20283971)
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研究分担者 |
宮田 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70111474)
岩下 英嗣 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60223393)
平山 次清 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (00018061)
鵜澤 潔 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (30361504)
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キーワード | 船舶工学 / 航空宇宙工学 / 次世代交通システム / 流体工学 / 表面効果翼船 |
研究概要 |
表面効果翼船(Wing In Surface Effect Ship ; WISES)は、航空機と通常船舶がともに経済運航できない、時速200~400kmの速度域に適合する輸送機関である。この特性は海上輸送における潜在的な輸送需要をWISESが取り込める事を意味するが、その事業化にはまだ課題がある。解明できていない特性の1つがWISESのロール安定性である。無線操縦による自航模型試験では、エルロンなしでのロール安定が見られるが、これは航空機の上半角効果によるロール復原メカニズムとは全く異なり、左右翼の表面効果の差によるものである。ロール操作は、旋回、方向変換に不可欠であるため、実船開発に向けて、ロール復原力の推定方法を確立しておく事が必要である。今年度は、曳航水槽内に沈めた傾斜テーブル上で3次元翼モデルを走行させ、ロール状態における復原モーメントを計測した。これに並行して、市販アプリケーションによるロール状態の翼周りの流体数値シミュレーションを実施した。ロールモーメントの解析は、揚力や抵抗の解析よりも格段に高い精度を必要とするが、今年度に実施した数値解析、水槽実験での結果は良い一致を示した。また、得られた情報を利用して、東京-小笠原航路にWISES船隊を導入した場合の採算性評価を行った。WISESの高速性によって航海時間は数時間に短縮し、また船内泊設備も不要となる事から、WISES船隊による現行の排水量型船舶の代替は、経済的にも環境負荷(CO2排出量)の点でも実現性がある事が確認できた。
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