研究課題/領域番号 |
19206094
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小寺山 亘 九州大学, 応用力学研究所, 特任教授 (80038562)
|
研究分担者 |
梶原 宏之 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30114862)
中村 昌彦 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (40155859)
柏木 正 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (00161026)
千賀 英敬 大阪大学, 工学研究科, 助手教 (60432522)
大坪 和久 海上技術安全研究所, 研究員 (50435773)
|
キーワード | 深海掘削船 / ライザー管 / リエントリ作業 / DPS / HILS / バーチャルリアリティ / 訓練シミュレータ / ガイダンス |
研究概要 |
深海掘削船「ちきゅう」はライザー管を用いる掘削方式を採用しており、これを支える要素技術は多岐にわたるが、本研究では特にライザー管下端部を噴出防止装置に再接続するリエントリ作業と呼ばれるものに注目した。本研究では、6基のスラスタを操作するDPSと装備した「ちきゅう」の1/55スケールの船体模型、および実験水槽深さの制約から5〜7[m]のライザー模型を想定し、これを制御対象として、HILS(Hardware In the Loop Simulation)アプローチによって、リエントリ作業訓練シミュレータの開発を行った。第1段階として、1台のPCに、6基のスラスタをもつ船体模型とある潮流分布を受けるライザー管の運動方程式、DPSと推力配分のアルゴリズム、DPS位置指令を出力するLQIコントローラのアルゴリズムを連携させて、閉ループ系を構成し、望ましい応答が得られることを確認した。第2段階として、まず、船体模型とライザー管の運動方程式を実時間で解き、VR(Virtual Reality)表示する制御対象シミュレータを、PC1台を用いて開発した。センサ出力は、船体位置、ライザー管上端傾角、ライザー管下端位置とし、ADボードを介してアナログ出力した。また6基のスラスタへの回転数・首振角の指令信号はDAボードを介してアナログ入力できるようにした。次に、制御用PCを2台準備し、それぞれDPSと推力配分のアルゴリズム、DPS位置指令の規範値を出力するガイダンスアルゴリズムを実時間で実行できるようにし、AD・DAボードを介して、制御対象シミュレータと結線して、実時間制御系を構成した。訓練を受けるオペレータは、ガイダンスを受けないで、安定かつ迅速なリエントリを実現するのは非常に困難であるが、ガイダンスを受ければ、比較的容易に望ましいリエントリ制御を行えることを確認した。
|