研究分担者 |
高橋 弘 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (90188045)
五十嵐 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90301944)
佐藤 努 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10313636)
村田 澄彦 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30273478)
川崎 了 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00304022)
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研究概要 |
微視構造を人為的に改変することにより岩質材料の物性を改良するマイクロ・リストラクチャリング技術の構築を目的として以下の項目について研究を実施した。 1.亀裂進展制御による物性改良法に関する実験的検討:種々の岩石のDT試験により,サプクリティカル亀裂進展と破壊靱性に及ぼす湿度・温度,水質・水温の影響を明らかにした。特に,水中環境下のサブクリティカル亀裂進展に関する一連の実験結果はpH依存性に関する従来説と矛盾することを示すとともに,その原因が,亀裂進展メカニズムの仮定にあることを指摘した。そして,長石類の溶解を含む水・鉱物反応を素過程とするより一般的な亀裂進展メカニズムを提案した。また,これら実験結果から材料の長期強度を予測する方法を提案するとともに,環境制御により微視亀裂進展を制御し,これにより強度を改善させる方法を提案した。 2.微視亀裂・間隙の充填による物性改良法に関する実験的検討:微生物代謝により土試料および模擬地盤材料中に炭酸カルシウムを析出させる方法について温度の影響と固化後の材料強度などを実験的に明らかにした。また,鉱物析出に伴う間隙構造変化を定量化する方法を提案した。さらに,セメント系材料を人工海水および人工地下水中に長期浸漬させるとともにマイクロフォーカスX-CT観察を行い,鉱物析出・亀裂閉塞プロセスを定量的に明らかにした。特に,亀裂内部での鉱物析出速度の評価に成功し,工学的時間スケールで亀裂閉塞が行われることを明らかにした。
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