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2007 年度 実績報告書

内湾性海成堆積物からの重金属溶出メカニズムと地層内封じ込め技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19206096
研究機関東北大学

研究代表者

土屋 範芳  東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (40207410)

研究分担者 平野 伸夫  東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (80344688)
岡本 敦  東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (40422092)
根本 克己  東北大学, 大学院・環境科学研究科, COEフェロー (20396427)
小川 泰正  東北大学, 大学院・環境科学研究科, 科学技術振興研究員 (50422093)
狩野 真吾  東北大学, 大学院・環境科学研究科, 科学技術振興研究員 (10370793)
キーワード内湾性海成堆積物 / 地圏環境 / 地質汚染 / 重金属汚染 / 修復技術 / 地圏環境インフォマティクス / 形態分析 / 化学形態
研究概要

東日本に分布する内湾性海成性堆積物,とくに鮮新世竜ノ口層を採取し,この堆積岩中に含まれる重金属類の蛍光X線分析,環境省告示第18,19号に則った水溶出試験とHC1溶出試験を実施した.さらに,秋田県北鹿地域の未変質岩石,変質岩石,土壌(A層,B層,およびC層),河川堆積物と河川水についてサンプリングを行い,これらに含まれる重金属類の含有量と重金属類の化学形態に関する検討を行った.
竜ノ口層には,相当量のAsとGdが含まれており,自然状態であっても既に環境省が示している自然由来重金属含有量の目安の値を越えている.堆積岩の化学組成で,FeとSには高い相関があることから,重金属類,特にAsは,フランボイド状の黄鉄鉱に含まれていると推定され,この黄鉄鉱と水との接触により容易に黄鉄鉱が溶解して硫酸酸性溶液を作り,これにより重金属類の溶出が加速されることを見いだした.また,風化の状態により,重金属の溶出挙動に著しい差異が認められ,内湾性海成性堆積物空の重金属溶出メカニズムは複雑であることが推定されるが,一方で水との接触を遮断することにより重金属類の溶出を抑制させることが可能であると推定される.
内湾性海成堆積物には,基準値を上回る重金属類が含有されており,また容易に溶出することを明確に明らかにした.フィルターによる粒度別分析,溶離液との反応性の違いを利用した逐次抽出法により,重金属類の化学形態を推定した.これらの結果,重金属類の溶出は主として真溶存種として含まれるが,河川環境や溶出元の岩石や土壌の性質に依存して,コロイド状粒子となることを明らかにした.また,土壌に比べ岩石のほうが,重金属の溶出リスクが高いことを明らかにした.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 地圏環境インフォマティクスのデータベース構築とその応用例2008

    • 著者名/発表者名
      狩野真吾, 土屋範芳, 井上千弘, 原淳子, 駒井武, 白鳥寿一, 神宮宏
    • 雑誌名

      Journal of MMIJ 124

      ページ: 148-153

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 山圏における重金属類の分布と岩石からの以降プロセスにおける化学形態に関する基礎的検討2007

    • 著者名/発表者名
      土屋範芳, 狩野真吾, 小川泰正, 山田亮一
    • 雑誌名

      地学雑誌 116

      ページ: 864-876

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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