研究課題/領域番号 |
19206103
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
堀池 寛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20252611)
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研究分担者 |
福田 武司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50354585)
近藤 浩夫 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門六ヶ所BAプロジェクトユニットIFMIF開発グループ, 研究員 (40403159)
山岡 信夫 大阪大学, 大学院・工学研究科, 技術専門職 (80444561)
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キーワード | 原子力 / 加速器 / 自由電子レーザー / 非熱加工 / バックエンド / 昇華損耗 / ドロス |
研究概要 |
加速器を基本とし、市販最新鋭レーザーより6桁高いピーク出力を持つ高スペクトル輝度光源であるFEL(自由電子レーザー)を利用した原子炉や核燃料集合体等、大型構造体の非熱的一括遠隔解体・微細断技術への適用性を実験的に調べた。PWR用燃料被覆管材料であるジルカロイ4等を用いて高スペクトル輝度ピコ秒パルスプロセスの有効性を検証した結果、従来型の近傍波長加工用レーザーに比べ、10倍以上低い照射強度で原子炉材料の効率的(狭切削幅)非熱プロセスが実現可能であることが分かった。即ち、従来の>10kW級加工用レーザーを用いたプロセスに比べ、画期的に優れた効率を持ち、放射性廃棄物の低減にも極めて有効であることを確認した。また、ビームパラメータ積が優れたFELでも厚手材料の効率的な微細切断加工を実現するには可変焦点光学系を準備することが望ましい(出口側焦点でも比較的優れた切削均一性を維持可能)ことを明らかにした。さらに、SUS304やタングステン等、複数の試料に対する照射試験を実施した結果、高度な非熱処理を実施するには、対象となる材料の融点を考慮したパルス波形制御技術の最適化が必要であることが分かった。その他、プルーム(昇華粒子流)と照射ビームとの相互作用に注目した非熱プロセスモデルを構築した。しかしながら、予測精度の向上には高速度カメラを用いたアブレーション計測の結果等を援用する必要があると考えられる。今後は、FELピーク出力の増大と音響光学素子等を用いた実効照射パルス数制御に加え、非熱プロセスの波長依存性(短波長側有利?)を調べるとともに、酸化の防止や残渣処理を目的としたガス噴射技術の最適化を目指した研究を実施する予定である。
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