研究課題
本研究の目的は、MgB2検出器や多重構造を持つNbN微細加工系のアレー構造へと研究を高度化させ、中性子のイメージングに応用することである。超伝導体を微細加工した超伝導検出器は空間分解能の高い検出器への展開が可能である。また、10Bと中性子の核反応と組み合わせることで中性子検出器への道も拓かれる。複合するようなアイデアは、二棚化マグネシウム超伝導体中のボロン同位体10Bとの効率的な中性子核反応によるナノスケールの局所熱を利用して、一つひとつの熱中性子をカウントできる中性出器であり、研究代表者が提案した。既に、高品質のMgB2薄膜の実現、MgB2薄膜の微細加工技術の確立、MgB2検出器の試作、パルスレーザーによる信号検出、最終的にMgB2検出器による中性子捕捉に成功している。平成20年度、石田は、研究計画の遂行と総括を担当した。中性子のマシンタイムは限られているため、JSTイノベーションプラザ大阪に用意した実験室にて、パルスレーザー(パルス幅20ps)でMgB2の中性子とボロンの核反応を模擬する実験を準備した。本研究でピエゾ方式によるXYZ駆動ステージを利用して、パルスレーザー光を2次元走査できる機構を製作した。そのために、XYZ駆動ステージとコントローラーを購入した。また、クライオスタットを改造し、パルスレーザー光スポットを走査できるようにした。これにより、前年度に準備した2x2 MgB2検出器アレー構造のための検出回路の設計を行った。野口・川又は、MgB2の微細加工とLabVIEWによるシステム化とパルスレーザー核反応模擬実験を担当した。加藤は簡易熱伝導シミュレーターの開発とBogoliubov-de Gennes方程式による準粒子ダイナミクス解析を担当した。北條は原子炉での照射実験とマシンタイムのアレンジを行ったが本年度はマシンタイムの確保には至らなかった。原子力機構・町田は、20年度、超伝導デバイスだけのシミュレーションだけでなく、外部電磁環境との接続を考慮したシミュレーションの枠組みを考察した他、熱発生後の超伝導体内のダイナミクスの理論を高温超伝導体に適用し、固有ジョセブソン接合においては、発熱効果が接合間の同期を促すことが可能であることを明らかにした。佐藤と宇野は中性子検出器に使用する温度センサ材料の研究を行なった。特に仕様として要求される耐放射線性に優れた材料の候補の一つであるCr-Nの成膜条件と特性の関係を調べた。特に重要な成膜パラメータである基板温度と低温における電気特性の関係を調べた。その結果、結晶性、電気特性は基
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