研究課題/領域番号 |
19206106
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
玉浦 裕 東京工業大学, 炭素循環エネルギー研究センター, 教授 (00108185)
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研究分担者 |
阿部 正紀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70016624)
北本 仁孝 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (10272676)
金子 宏 東京工業大学, 炭素循環エネルギー研究センター, 特任准教授 (90323774)
長谷川 紀子 東京工業大学, 炭素循環エネルギー研究センター, 助教 (30361801)
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キーワード | カチオン特異過剰フェライト / 集光太陽熱 / 急速加熱 / Frenkel型格子欠陥 / 酸素放出反応 / ソーラー水素生産 / ロータリー式太陽反応炉 / 固体物理化学解析 |
研究概要 |
集光太陽ビームの急速加熱(昇温速度200℃/min、1300-1600℃)により、Niフェライト(NiFe_2O_4)は吸熱過程において遷移状態のFrenkel構造フェライトを形成し、次いで酸素放出とともに、この格子欠陥型反応中間体は「カチオン特異過剰なフェライト」に変化し(酸素放出過程)、これが水を分解(水素生成過程)することを見出した(特開2008-094636)。この酸素放出反応は空気酸素分圧下において進行することを世界で初めて明らかにしたもので、実用化への道を大きく開いた。さらに、「カチオン特異過剰なフェライト」の固体物理化学解析をX線回折、メスバウア分光によって進め、空気酸素分圧下で5ml/gに達する酸素放出性能を実現することに成功し、ロータリー式太陽反応炉への適用を検討した。酸素放出反応後の生成物(カチオン特異過剰なフェライト)を急速に不活性雰囲気へ移すことにより、引き続き水素生成反応を化学両論的に進行させることに成功し、太陽反応炉での二段階水分解水素生成の可能性を見出した。インピーダンス計測装置を用いて、電気化学的測定を含めた固体物理化学的解析を進展させ、高酸素分圧酸素放出機能セリア系素材設計手法を確立した。なかでも高価数金属酸化物を固溶させたセリアにおいて空気酸素分圧下の酸素放出反応を容易に進行することを明らかにし、ロータリー式太陽反応炉に応用可能であることを確認した。また、集光太陽ビームの照射によるソーラー水素生産の実用化を目的として、ロータリー式太陽反応炉コンセプトの改良を行い、カチオン特異過剰な反応性を発現させる作動条件(800-1500)℃及び温度スイング昇温速度(100℃/min以上)を満足する急速加熱型へと発展的に改造した。
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