研究課題/領域番号 |
19207001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹安 邦夫 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (40135695)
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研究分担者 |
吉村 成弘 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90346106)
日詰 光治 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (10378846)
跡見 晴幸 京都大学, 工学研究科, 准教授 (90243047)
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キーワード | ゲノム構築 / 機能 / 再編 / 発現 / 維持 |
研究概要 |
(1)大腸菌の核様体を単離し、MNaseで部分分解し、ショ糖密度勾配法により核様体フラグメントを分画した後、各画分に含まれる遺伝子断片とタンパク質を分析し、核様体フラグメントの構造を原子間力顕微鏡で解析した。その結果、大腸菌核様体は、MreB遺伝子産物を介して細胞膜と強固に結合していることが分かった。(2)分裂酵母のゲノムにはリンカーヒストン(H1やH5)が存在しないが、核内では「Beads-on-a-string」構造をとることが分かっている。ただ、高等動植物のものより、ヌクレオソーム間の距離が数十塩基対短い。一方、試験管内で再構成したヌクレオソームはヒトのものと同様な「Beads-on-a-string」構造をとり、また、ピストンH1とも結合し「太いファイバー」を形成することが分かった。ただ、ヒストンH1はヒトでは30nmファイバーをつくるが、酵母では20nmファイバーを形成する。これは、コアヒストンのN-末端の電荷の差によるものであると解釈できる。(3)核小体に局在する機能未知の核マトリクスタンパク質(MAK16、WD46、MAGEF、FAM27E1等)をコードするcDNAをクローニングし、GFP(クラゲの緑色蛍光タンパク質)との融合タンパク質としてHeLa-細胞で発現させた。FRAP(FluorescenceRecovery AfterPhotobreaching)解析の結果、これらの核内での移動速度の非常に遅いものであった。(4)WD 46はN-末端とC-末端にDisordered領域を有するが、これまでに、N-末端のDisordered領域が特異的にヒストン8量体と結合すること、また、分子中央部のWD領域はピストンH3と特異的に結合することが分かった。(5)昨年度、細胞骨格タンパク質であるアクチニン4は細胞周期依存的に細胞核-細胞質間をシャトルすることを発見した。核内に入ったアクチニン4はINO80複合体と結合し、特定の遺伝子の発現を制御することも分かった。また、アクチニン4の分子量は大きい(105kDa)にも関わらず、その核内移行にはインポーチンを必要としないことも分かった。
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