(I)高次ゲノム構築の一般原理の解明 再構成系を用いて真核生物のクロマチン高次折りたたみ機構を解明すると共に、染色体・核様体構造を代表的な生物クラス間で比較し、さらにバイオインフォマティクスを用いた比較ゲノム解析を行うことで、真核生物間および原核生物間で特異的あるいは普遍的なゲノム高次構造の構築機構を明らかにする。 (II)核内タンパク質と高次クロマチンとの相互作用様式の解明 核内でクロマチンの高次折りたたみに関与していると考えられるタンパク質に注目し、それを含んだクロマチン高次複合体の再構成を目指す。たとえば、核マトリクスタンパク質であるII型トポイソラーゼ(トポII)に注目し、トポIIを加えた再構成クロマチンファイバーの構造を、原子間力顕微鏡を用いた1分子イメージング法等により解析する。また、ヒストンシャペロンなどのクロマチン結合タンパク質の作用様式を解明する。 (III)核膜と高次クロマチンとの相互作用様式の解明 クロマチンと核膜との相互作用は、染色体の核内配置、遺伝子の機能発現、染色体分配等に重要な役割を果たしている。 高次クロマチンファイバーと核膜との結合がいかにして制御されているかを、1分子力計測等の技術を用いて解明する。
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