研究概要 |
1)血管平滑筋収縮制御するRhoキナーゼの機能制御の構造的基礎 前年度に調製したRhoキナーゼのC-末端局在ドメインを用いて,構造決定のための基礎実験を進めた結果,前年度に良好のNMRスペクトル収集の目処が立ったPHn-C1L-PHcドメイン試料については構造決定できた.また,キナーゼドメインのP-loopの安定性を分子動力学の手法で解析して,論文発表した. 2)細胞膜タンパク質のアクチン細胞骨格系を通した機能制御の構造的基礎 ERMタンパク質による接着分子,イオンチャネルあるいは受容体などの膜タンパク質の細胞内ドメイン(またはテール)の認識に関わるN-末端のFERMドメインとCD43,CD44,MT1-MMPとの結晶化を進めて,構造決定した.CD43ならびにCD44との複合体構造については論文発表した. 3)微小管伸張の動的制御 前年度からCLIP-170と相互作用するCLASPの実験も進めていたが,その中で,EB1-CLASP複合体結晶の構造解析に成功した.pull-down実験や現有のBIAcoreやITC等を用いて解析すすめており,これらをまとめて来年度に論文発表する準備をしている. 4)その他 重要な植物ホルモンであるジベレリンとその受容体,ならびに,受容体の標的タンパク質との複合体の構造決定して,英国科学雑誌Nature誌に論文発表した.
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