研究課題/領域番号 |
19208001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西尾 剛 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (30301039)
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研究分担者 |
北柴 大泰 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (80431542)
高畑 義人 岩手大学, 農学部, 教授 (10133894)
横井 修司 岩手大学, 農学部, 准教授 (80346311)
金子 幸雄 宇都宮大学, 農学部, 教授 (40241848)
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キーワード | 種間不和合性 / 雑種胚崩壊 / 自家不和合性 / ゲノム再配列 / 遺伝子発現制御 |
研究概要 |
アブラナの種間不和合性遺伝子を解明するため、Brassica rapaとBrassica oleraceaの種間交雑において柱頭側で種間不和合性を示すB. rapa系統と示さないB. rapa系統のF2個体を用いて、種間不和合性のQTL解析を行った。102個のDNAマーカーを用いて、F2の125個体の遺伝子型と種間不和合性強度を調査した結果、第2連鎖群に主要なQTLがあることが分かった。種間不和合性強度はS遺伝子やM遺伝子とは連鎖していなかった。 B. napusはB. rapaとは交雑が容易であるが、B. oleraceaの間では雑種胚崩壊が起こる。両組合せ間の胚嚢での遺伝子発現の差異をSSH法で調査し、雑種胚崩壊が起こらない組合せに特異的な245のESTsを同定した。その内5つのESTについては、種子稔性の高い組合せの胚嚢で高い発現がRT-PCRで確認された。種子親側の属間交雑親和性遺伝子を解明するため、聖護院カブ(属間交雑親和性が高い品種)とチーフハクサイ(同低い品種)のF2120個体を育成した。これらの聖護院ダイコンとの間で属間交雑による稔実性を調査中である。花粉親側の親和性の高低を明らかにするための組合せのF1も作成した。 B. napus種内の6種類のS遺伝子型のうちBnS-1,BnS-6型はBnS-1のSP11内へのDNA挿入によりSP11が発現しないことが自家和合性の原因と推定していたが、BnS-1と類似したBrS-47のSP11遺伝子を導入した形質転換体を作成し、自家不和合性が回復することを見出し、SP11の機能不全が自家和合性の原因であることを証明した。 複二倍体ゲノムの安定性の解析のため、種内のSNPを同定し、B. rapaとB. oleraceaでSNPマーカーを作成し、既存のCAPSマーカーやSSRマーカーと合わせて連鎖地図を構築した。
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