研究課題/領域番号 |
19208002
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 光 九州大学, 農学研究院, 教授 (70128031)
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研究分担者 |
久原 哲 九州大学, 農学研究院, 教授 (00153320)
麻生 陽一 九州大学, 農学研究院, 教授 (10117054)
熊丸 敏博 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00284555)
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キーワード | イネ / アミロプラスト / 突然変異 / 澱粉 / OMICS / サチュレーションミュータジェネシス / 澱粉生合成酵素 / バイオインフォマティクス |
研究概要 |
1)PHO1変異を単離し、澱粉生合成の初発反応にPHO1を含め2種以上の酵素が関与すること、PHO1は低温での初発反応に重要な役割を果たすことを明らかにした(Satoh et al.2008)。さらに、PUL変異を単離し、本酵素がISA1の補助的役割を果たし、澱粉の結晶構造形成に関与することを示した(Fujita et al.2009)。 2)AGPaseを高発現する組換え体植物を用いた解析から、澱粉合成の制約はADP-Glc合成の下流の調節系にあり、本酵素の高発現はCなどの上流の基質濃度の上昇を招くことを示した(Nagai et al.2009)。 3)イオン強度の異なる溶媒を用い、登熟種子の可溶性・不溶性両画分のSDS-PAGE分析を行い、両画分に特有のタンパク質を特定した。変異ライブラリーについて登熟種子各画分のタンパク質分析を行い、68kDSSIを含む多様な変異を選抜できた。 4)DSC熱糊化/ピーク分離ソフトウエア解析から、野生型ウルチ澱粉は低温糊化(LTG:50-70℃糊化)、高温糊化(HTG:60-95℃糊化)及び極高温糊化(EHTG:80-120℃糊化)の3画分から構成されることが示された。モチ澱粉はEHTGがほぼ消失し、本画分はアミロースに起因すると考えられた。DP〓12以下のアミロペクチン(AP)短鎖の形成に関わるBEIIbを欠くae澱粉ではLTGが、DP37以上の長鎖形成に関わるBEIを欠くsbe1澱粉ではHTGが著しく減少した。このことから、LTGはAPの外層を形成するA鎖画分、HTGは内層の骨格を形成するB鎖画分と考えられ、AP構造の変更は澱粉の糊化特性に極めて大きな変化を与えることが示された。 5)アミロースフリーを含め澱粉生合成酵素遺伝子変異間の2重変異を作製するため交配を行い、200組み合わせ以上の交配種子を得た。
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