研究課題/領域番号 |
19208002
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐藤 光 九州大学, 農学研究院, 教授 (70128031)
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研究分担者 |
久原 哲 九州大学, 農学研究院, 教授 (00153320)
麻生 陽一 九州大学, 農学研究院, 教授 (10117054)
熊丸 敏博 九州大学, 農学研究院, 准教授 (00284555)
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キーワード | イネ / アミロプラスト / 突然変異 / 澱粉 / OMICS / サチュレーションミュータジェネシス / 澱粉生合成酵素 / バイオインフォマティクス |
研究概要 |
1. 登熟に伴う澱粉生合成酵素の変動を活性染色分析によって解析し、各酵素アイソサム間で活性ピーク時期が異なること、同一酵素に異なるアイソフォームが存在し、かつ、活性のピークが両者で異なることを明らかにした。一方、登熟中に、極小、小及び完熟型大粒のサイズの異なる3種の澱粉顆粒の存在と、前2者は登熟初期に、完熟型は糊熟期以降に認められることを見出した。この結果から、イネ種子胚乳澱粉の合成は3つの異なる相に分けられること、各々の時期特異的な酵素及びアイソフォームの活性化が3種の澱粉粒の形成と密接に結びついていることが強く示唆された。 2. 乳熟初期から糊熟期初期の登熟種子胚乳を2mMMgC12を含むHEPES(GS)と0.5MNaCl/Tris-HCL緩衝液で連続抽出し、両画分及び残渣画分についてSDS-PAGE分析を行い、各画分特異的澱粉生合成関連酵素タンパク質を特定した。登熟時期との関係を解析し、同一酵素でも可溶性型と澱粉結合型では発現時期が異なることを明らかにした。 3. MNU変異系統の登熟種子胚乳について、Native-PAGE/CBB染色法、並びにGS緩衝液抽出及び残差画分のSDS-PAGE分析法及び活性染色法を用いて変異の探索を行い、登熟過程初期に発現する酵素類を特異的に制御する変異を始め、未同定のアミラーゼに関する活性減少変異など、新たな変異を作出できた。 4. TILLING分析でMNU受精卵処理では95%がGC→AT塩基置換型変異であることを報告したが(Suzuki et al. 2008)、shrlを含む幾つかの澱粉変異の解析も同様な結果を示した。加えて、MNU処理ではナンセンス変異が他の化学変異原より多発するが、その原因の一つはイントロンとエクソンの切断部位の塩基置換によりワレームシフト変異が生じ、停止コドンが誘導されることに起因することが明らかとなった。
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