研究課題/領域番号 |
19208005
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 幸男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (60125987)
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研究分担者 |
田付 貞洋 東京大学, 農学部, 非常勤講師 (40163480)
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キーワード | アワノメイガ類 / 性フェロモン / フェロモン受容体 / 進化 / クローニング / アズキノメイガ |
研究概要 |
アワノメイガ類(Ostrinia属)の雌が放出する性フェロモンとして、官能基や二重結合の位置、幾何異性が異なる6種類の物質が知られているが、その成分と成分比は、種によって異なる。従って、これらの性フェロモンを認識するフェロモン受容体が近縁種間でどのように異なっているかを知ることは、性フェロモンの交信系の進化を知る上で興味深い。本研究では、日本産アワノメイガ類の性フェロモン受容体候補遺伝子のクローニングを試みた。まず、アズキノメイガ(Ostrinia scapulalis)の性フェロモン受容体候補遺伝子のクローニングを行った。すでに、性フェロモン受容体遺伝子がクローニングされているカイコガ(Bombyx mori)とタバコガの一種(Heliothis virescens)のアミノ酸の配列情報を利用し、6種類の性フェロモン受容体候補遺伝子とOr83bファミリーの遺伝子をクローニングすることに成功した。クローニングした性フェロモン受容体候補遺伝子をアフリカツメガエルの卵母細胞に発現させ、電気生理学的手法により性フェロモン成分に対する応答を測定したところ、単離した3種類の性フェロモン受容体候補は、性フェロモン成分に対して応答した。次に、アズキノメイガの性フェロモン受容体候補遺伝子の塩基配列を元に、5種の日本産アワノメイガ類の雄成虫触角に発現している性フェロモン受容体候補遺伝子のクローニングを試みた。その結果、すべての種から、アズキノメイガの性フェロモン受容体候補遺伝子6種類とそれぞれに高い相同性を示す遺伝子が得られた。これらの結果は、雌が産生する性フェロモン成分は異なっていても、性フェロモン受容体遺伝子は近縁種間でよく保存されていることを示している。
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