研究課題/領域番号 |
19208008
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 達彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70221976)
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研究分担者 |
東端 啓貴 東洋大学, 生命科学部, 准教授 (20344864)
橋本 義輝 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (00323254)
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キーワード | N-置換ホルムアミド / イソニトリル / アミド / 代謝 / 酵素 |
研究概要 |
N-置ホルムアミド代謝群の中で、(他の酵素に関しては継続して研究を進めているが)現在、特にArthrobacter pascens F164株のイソニトリルヒドラターゼに関して得られている成果について以下に記載する。 イソニトリル代謝に関わる微生物・酵素の探索を行い二つの菌株を単離し、イソニトリルはイソニトリルヒドラターゼによりN-置換ホルムアミドへと水和され、さらにN-置換ホルムアミドデホルミラーゼによりアミンとギ酸へと分解される新しい代謝経路を発見していた。A.pascensF164株はN-置換ホルムアミド代謝能をもつ菌として単離され、本菌からN-置換ホルムアミドデホルミラーゼを精製したが、イソニトリルヒドラターゼ活性も検出され、両酵素が協調して働く可能性が示唆された。本株由来イソニトリルヒドラターゼの詳細は明らかとなっておらず、本酵素を詳細に解析するため、今回、本酵素の生成量を増加すべく、培養条件を改良した。まず、基質の探索を行い、無細胞抽出液に共存するN-置換ホルムアミドデホルミラーゼの影響を受けず、イソニトリルヒドラターゼ活性を正確に測定する方法を構築した。次に、培地組成、培養時間を検討し、より本酵素が大量に取得できる条件を決定した。その過程で、本菌のイソニトリルヒドラターゼが誘導酵素であることが示唆されたことから、誘導剤として添加化合物の種類などを変え、種々の条件で培養を行った。調製した無細胞抽出液の活性を測定することで、本酵素活性が最大となる最適培養条件(当初の条件に比べて比活性、全活性ともに上昇)を決定した。本株の無細胞抽出液をSDS-PAGE解析した結果、誘導物質添加時のみに生成量が増大する太いタンパク質バンドが検出された。
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