研究課題/領域番号 |
19208013
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中村 太士 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90172436)
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研究分担者 |
森本 幸裕 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (40141501)
夏原 由博 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (20270762)
鎌田 麿人 徳島大学, 工学部, 准教授 (40304547)
小林 達明 千葉大学, 園芸学部, 准教授 (40178322)
柴田 昌三 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (50211959)
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キーワード | 生態系評価 / 自然再生 / 河川 / 湿地 / 里山 / 森林 / 都市 |
研究概要 |
中村・森本(幸)は、自然再生の意義、現状、課題、政策、手法、評価技術などについて、これまでの知見を学会誌ならびに書籍にまとめた。個別課題として、水辺を中心に河畔林の成立機構、コウモリ類、底生動物、魚類のハビタット解析、指標種の選定の考え方や生息環境の評価方法、自然再生の進め方などについて検討した。河川や水辺生態系については、この他にも、遊麿が、琵琶湖独特のアユ仔稚魚期生態特性について調査を行い、アユ産卵期の河川環境について検討した。鎌田は、徳島県・香川県を対象として、博物館の標本データと国土数値情報等を用い、水辺指標生物としてのトンボ類および湿性絶滅危惧植物の広域的な潜在的生息・生育地を推定した。広域の生態系評価をターゲットとした研究では、夏原が、生物を保護すべき単位として、遺伝子マーカーを用いた進化的に重要な単位ESUを定義し、ESUの分布と土地利用規制とのギャップを地図化することによって優先して保護対策を行うべき地域を検出する手法を開発した。森本(淳)は、従来「群集」の抽出に用いてきた種数-面積曲線の概念を応用した新しい「ランドスケープの認識手法」を考案し、この手法で知床半島のランドスケープの構造を解析した。さらに、外来種や里山管理の観点から、小林が、生態的コリドーと外来生物管理の関係について検討を行った。また米国における再生生態学の大学教育プログラムについて調査を行った。柴田は、里山の管理に関して実際に実験的に伐採試験を行っている森林での継続調査を行った。社会科学的側面からは、庄子が釧路湿原の自然再生事業として現在実施されている事業(河川の再蛇行化・ため池の設置・森林の回復)の評価について、北海道民を対象としたWebアンケート調査を実施した。事業の中では、森林の回復が最も評価が高く、また事業の確実性が高いほど評価が高いことが明らかとなった。
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