研究課題/領域番号 |
19208016
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
林 隆久 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (70231529)
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研究分担者 |
谷口 亨 森林総合研究所, 森林バイオ研究センター, 研究員 (00360470)
馬場 啓一 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (20238223)
菊池 彰 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (00400648)
太田 誠一 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10346033)
古田 祐三 京都府立大学, 生命環科学科, 准教授 (60343406)
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キーワード | キシログルカン / ポプラ / 野外試験 / キシログルカナーゼ |
研究概要 |
Aspergillus aculeatus由来のキシログルカナーゼを構成的に発現する組換えポプラの野外試験を4年間にわたって実施した。この組換えポプラは、細胞壁構成成分であるキシログルカンが構成的に分解される結果、成長が促進されたことが温室で育てられたポプラ苗によって示された。そこで、実際に、野外における組換えポプラの特性を検証するために、本試験が行われた。野外で栽培された組換えポプラのキシログルカン量は、富栄養土、貧栄養土壌において、21-22%、15-16%減少した。しかし、温室で見られた成長の促進は認められず、逆に、野外においては組換えポプラの生育が低下した。富栄養土においては、組換えポプラの地上部、及び地下部の成長は、野生株に比較してそれぞれ24-44%、30-52%減少した。貧栄養土壌においては全体的にバイオマス量、成長は低下し、富栄養土と同様な組換えポプラの成長低下が見られた。ポプラは、地上部を刈り取っても、翌年には根から無性的に萌芽する。この根からの萌芽の多さを組換えポプラと野生株で比較した結果、組換えポプラの方が根からの萌芽も少ないことが明らかとなり、繁殖性も低くなることが示された。また、葉の形態がキシログルカンの減少によって変化することが明らかとなった。組換えポプラの葉の表面積は小さく、陽葉と呼ばれる葉の性質に似て、厚くgreen色が濃くなった。葉脈も短くなった。さらに、根についても変化も認められた。組換えポプラにおいて、細根が減少した。以上の結果から、キシログルカンの減少により、維管束系組織の成長、あるいは発達が阻害されることが推測された。
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