研究分担者 |
菅原 達也 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70378818)
牧野 義雄 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (70376565)
伊藤 祥輔 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 名誉教授 (70121431)
若松 一雅 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (80131259)
増田 太郎 京都大学, 農学研究科, 助教 (40395653)
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研究概要 |
血漿からフェノール酸化活性を有する新酵素を発見しその単離精製に成功したので、その特性を調べた。本酵素はモノフェノールとジフェノール酸化活性を有していた。また、cDNAと演繹アミノ酸配列の解析から、銅結合サイトを有し、既知フェノールオキシダーゼとの相同性は30%しかないことが明らかとなった。極めて強いフェノール酸化活性を有することから、黒変に大きな役割を果たしていることが示唆された 前年度確認した甘エビ(Pandalus eous)を汚染した腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahaemolyticus)のCO_2置換包装による増殖抑制効果について詳細に検討した。CO_2置換包装は、甘エビの衛生状態の保持に有効であることを確認し、さらに腸炎ビブリオ菌の増殖抑制はCO_2によるpHの低下が原因ではなく、ガスそのものが増殖を抑制していることを認めた。また食味試験によって、CO_2置換包装が食味に悪影響を及ぼさないことも確認した。 ベニズワイガニの血漿よりゲル濾過クロマトグラフィーを用いて調製した画分はSDSを添加することでフェノール酸化酵素様の活性を示し、その至適温度は55℃、至適pHは9.0付近であり、30分間の熱処理に35℃まで耐性が見られた。基質特異性の解析においては、ジフェノール類(DOPA、Dopamine)の酸化は触媒するものの、モノフェノール類(Tyrosine,Tyramine)の酸化能はほぼ見られなかった。阻害剤においては、実験に供した6種類の阻害剤(Cysteine,Diethyldithiocarbamate,Ascorbic acid,Hinokitiol,4-Hexyl-resorcinol,Phenylthiourea)のうち、Cysteineが最も高い阻害能を示した。
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