研究課題
昨年度までは、植物の吸収する水分量の定量ならびに養分元素の吸収動のマクロおよびミクロのイメージング装置開発を行ってきた。本年度はこれらのイメージング装置を用い、リン(32-P)よりもβ線のエネルギーが低い核種、イオウ(35-S)、カルシウム(45-Ca)などのリアルタイムイメージングが行えるようになってきた。さらに、γ線放出核種である、109-Cdについてもミクロイメージング装置で可視化が可能であることが示され始めたところである。養分元素吸収動態では、リアルタイムイメージング法により水耕栽培における養分吸収と土耕栽培における養分吸収の違いを解析することができた。その結果、イネの水耕栽培ではリン酸の吸収量が土壌栽培と比較して20倍ほど多くなることがわかり、水耕栽培では土壌栽培とは全く養分吸収動態が異なることが示された。一方、アフリカで自生のササゲ約2000種から選抜された乾燥耐性ならびに感受性ササゲを用いた水分ならびに物質の動態も調べた。水動態については、乾燥耐性ササゲ(TVu11979、TVu11986)感受性ササゲ(TVu7778、TVu9357)を用い、乾燥ストレス下における代謝様式の差を調べた。特に、感受性品種(TVu7778)は、乾燥ストレス下で上位組織への可溶糖の輸送が小さいことや、同じ感受性品種(TVu9357)と比較しても下位葉における水分保持力が低いことが示された。さらに切断した各葉自身の水分保持力を調べたところ、感受性品種(TVu7778)は、上位葉における水分保持力ならびに葉緑体保持力が最も低いという結果が得られた。
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