研究課題/領域番号 |
19208024
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
林 国興 鹿児島大学, 農学部, 教授 (80041656)
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研究分担者 |
長谷川 信 神戸大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60107985)
加藤 和雄 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60091831)
大塚 彰 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (10233173)
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キーワード | 焼酎粕 / 焼酎粕因子 / 鶏 / ブトキシブチルアルコール / 神経ペプチド / 視床下部 / 下垂体 / 摂食調節 |
研究概要 |
林と大塚は、ブロイラーに焼酎粕を与えると筋肉量が増加することを明らかにした。また、ブロイラーに合成したブトキシブチルアルコール(焼酎粕因子の一つ)を与えた場合にも筋肉量が増加することを明らかにしており、同時に、培養筋肉細胞を用いて、ブトキシブチルアルコールが筋肉タンパク質の分解速度を低下させることを明らかにしている。現在、排泄物中への3-メチルヒスチジン排泄量を測定することによりブロイラーの筋肉タンパク質分解速度に及ぼすブトキシブチルアルコールの影響を調べている。 長谷川は、焼酎粕による食欲増進の起因となる視床下部神経ペプチド(群)の同定の一環として、まず、鶏の中枢における食欲調節機構に関与する神経ペプチドを明らかにする目的で、主要なエネルギー代謝調節ホルモンであるグルカゴンの中枢投与が摂食量及び視床下部食欲調節関連ペプチド(群)の遺伝子発現に及ぼす影響について調べた。その結果、グルカゴンの脳室内投与により鶏の摂食量は減少すること、視床下部副腎皮質刺激ホルモン放出因子の遺伝子発現が促進すること、ならびに血中副腎皮質ホルモン濃度が上昇することが明らかになった。これらの結果から、鶏においても、哺乳動物と同様に、副腎皮質刺激ホルモン放出因子が中枢の摂食調節機構において仲介因子として働くことが示唆された。焼酎粕因子はグルカゴンを介して食欲に影響を及ぼすのではないかと予想される。 加藤は、ニワトリの下垂体機能を他の動物種と比較する観点から、2種類の実験を実施した。第1の実験では、仔ウシ、ヤギ、ヒツジを用いて、バソプレッシン刺激時によるACTH分泌の種差について検討し、その結果、バソプレッシン刺激によるACTH分泌程度には種差が認められ、ヤギ、ヒツジ、ウシの順序であることを明らかにした。また、ヤギでは、CRH刺激はACTH分泌を刺激せず、ヒトやラットと異なることがわかった。第2の実験では、仔ウシ10頭を用いて、焼酎粕を2週間給与した時の、血中GH、ACTH、IGF-IおよびInsulin濃度の変化を測定中である。
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