研究課題
Rabファミリー低分子量GTP結合蛋白およびArfファミリー低分子量GTP結合蛋白の活性化モニターの作成を行った。また、Rasファミリー低分子量GTP結合蛋白の一つR-RasのFRETプローブを作成し、R-Rasの機能を解析した。R-Ras蛋白に対する良い抗体がなかったのでまず抗体を作成した。この抗体を用いて組織内分布および細胞内分布を調べた。R-Rasは平滑筋にもっとも多く発現しており、次いで、副腎髄質および膵臓ランゲルハンス氏島に多く発現していた。細胞内では、初期およびリサイクリングエンドソーム上に存在していた。このことはR-Rasが細胞外分泌に関与することを示唆する結果である。さらにFRETプローブでRRasの活性を調べたところ、エンドソーム上で活性が強いことがわかった。エンドソームにおいてはRalAの活性も高いことを我々は報告している。そこで、R-Rasに結合するRalA活性化因子を調べたところ、このエンドソーム上でR-RasがRal活性化因子であるRgl2/Rlfと結合していることを見出した。RNAiによりR-Rasの量を減らすと、RalAの活性が低下したことからR-RasがRalAのエンドソーム上での活性化を制御していることが明らかとなった。さらに、PC12細胞および下垂体細胞を用いて細胞外分泌におけるR-RasおよびRalAの影響を解析し、R-Ras-RalA経路がホルモン分泌に関与するという結果を得た。
すべて 2007 その他
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Mol. Biol. Cell 18
ページ: 1850-1860
http://iisi.path1.med.kyoto-u.ac.jp/mm/index.htm