研究課題/領域番号 |
19209008
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 道行 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (10199812)
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研究分担者 |
中村 岳史 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 講師 (60362604)
清川 悦子 京都大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80300929)
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キーワード | FRET / Rab5 / Rac / アポトーシス / 小胞輸送 |
研究概要 |
本年度は、まず、初期エンドソームに主として存在し、初期エンドソームと小胞の融合を制御しているRab5に対するFRETバイオセンサーを作成した。このバイオセンサーはゲインが90%程度あり、今まで作成したバイオセンサーの中では極めてよいものであると評価された。このバイオセンサーを用いて、アポトーシス細胞貪食過程におけるRab5の活性変化を可視化した。さらに、Rhoファミリー低分子量GTP結合タンパクRac1についても同様の検討を行った。その結果、Rac1活性の高い場所で、アポトーシス細胞の貪食が起きること、アポトーシス細胞の細胞内への取り込み直後に、Rac1の活性低下が起きること、このRac1活性の低下がファゴソーム周囲からのアクチン線維の離散に必要であることを見出した。さらに、Rab5は、このアクチン線維の離散直後に活性化され、約20分続くことがわかった。この20分の間にファゴソーム内のpHの低下が観察された。Rab5の活性化には、微小管が必要であった。その原因を調べたところ、微小管上にRab5活性化を司るGapex5というグアニンヌクレオチド交換因子がEB1分子を介して、結合していることが判明した。以上の結果は、アポトーシス細胞の貪食というプロセスにおいて、低分子量GTP結合タンパクがどのようにして時空間的に制御されているかを明らかにしたものである。
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