研究課題
Rab5は初期エンドソームやファゴソームの形成に必要な分子である。昨年度、Rab5のバイオセンサーを作成し、アポトーシス細胞の貪食時に、Rab5の活性化が一過性に観察されることを報告した。Rab5は上皮細胞増殖因子受容体の刺激後の取り込みにおいても重要な働きをすることが知られているので、HeLa細胞を様々な増殖因子で刺激したときのRab5の活性化を可視化した。しかし、予想に反して、上皮細胞増殖因子や血小板由来増殖因子で刺激しても明らかな活性化は認められなかった。現在、その原因について解析中である。また、Rab5のバイオセンサーを安定に発現させ、かつ十分な輝度を得るために、TFP蛍光蛋白を用いたバイオセンサーを作成した。さらに、二光子顕微鏡での使用に用いるために、赤色蛍光蛋白であるTomatoを用いたバイオセンサーの開発にも成功した。さらに、後期エンドソームで活性化されるRab7の活性化モニターを作成した。Rab7結合ドメインとしては、Rabring7、ORP1Lを用いた。蛍光蛋白としては、通常のCFPとYFPのペアのほかに、YFPのcircular permutation変異体も試行した。様々な工夫を加えた結果、Rabring7を使うことにより十分なダイナミックレンジを有するFRETバイオセンサーの開発に成功した。さらに、安定発現細胞株を樹立するために、TFP蛍光蛋白を有するRab7モニターも作成し、現在、イメージングを行なっている。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)
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