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2010 年度 実績報告書

細胞小胞輸送に関わる低分子量GTP結合蛋白の蛍光イメージングによる時空間的解析

研究課題

研究課題/領域番号 19209008
研究機関京都大学

研究代表者

松田 道行  京都大学, 生命科学研究科, 教授 (10199812)

研究分担者 清川 悦子  金沢医科大学, 医学部, 教授 (80300929)
キーワードバイオセンサー / Rac1 / FRET / SH3BP1 / Exocyst
研究概要

細胞の小胞輸送にかかわるArfファミリー低分子量GTP結合蛋白の小胞輸送における活性化の可視化を目指した。当初作成したArfファミリー低分子量GTP結合蛋白のバイオセンサーの感度が悪かったため、より高感度のバイオセンサー作成を試みた。まず、ERKのバイオセンサーをモデルに、FRETバイオセンサーの骨格の検討を行った。その結果、リンカーを非常に長くすることで、感度が大きく上昇することを見出した。この116アミノ酸の長さを持つリンカーをEVリンカーと命名し、様々なバイオセンサーに応用したところ、多くの場合において感度の上昇が観察された。しかし、Arfバイオセンサーの場合は、感度の上昇が認められなかった。このことは、Arfバイオセンサーの反応性が低い理由は、リンカー部分の問題ではないことを示している。今後、リンカー以外の部分について、さらに検討を進める必要がある。
上記の研究と並行して、Rac1とexocystの関係についても研究を進めた。その結果、exocyst複合体の中に、SH3BP1という分子があること、この分子がRac1の活性を負に抑制するGAPであることを見出した。Rac1に対するバイオセンサーを使った解析により、exocystが、進行方向の細胞膜に融合することで、SH3BP1を進行方向に運ぶこと、ここでRac1を負に制御することが細胞運動に重要であることを見出した。しかし、細胞膜の進行方向ではRac1活性が高いことを我々は報告している。この一見矛盾する所見は、Rac1の活性が進行方向の細胞膜上でONとOFFを繰り返すことが細胞運動に必要であることを示している。また、この研究は、FRETバイオセンサーを使った時空間的解析が、これまでの手法ではわからなかった様々な生命の謎を解き明かしうることを示している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Development of an optimized backbone of FRET biosensors for kinases and GTPases2011

    • 著者名/発表者名
      N.Komatsu, K.Aoki, M.Yamada, H.Yukinaga, Y.Fujita, Y.Kamioka, M.Matsuda
    • 雑誌名

      Mol.Biol.Cell

      巻: 22(23) ページ: 4647-4656

    • 査読あり
  • [雑誌論文] SH3BP1, an exocyst-associated RhoGAP, inactivates Rac1 at the front to drive cell motility2011

    • 著者名/発表者名
      M.C.Parrini, A.Sadou-Dubourgnoux, K.Aoki, K.Kunida, M.Biondini, A.Hatzoglou, P.Poullet, E.Formstecher, C.Yeaman, M.Matsuda, C.Rosse, J.Camonis
    • 雑誌名

      Mol.Cell

      巻: 42(5) ページ: 650-661

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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