研究課題/領域番号 |
19209011
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
佐々木 裕之 国立遺伝学研究所, 総合遺伝研究系, 教授 (30183825)
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研究分担者 |
中尾 光善 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (00217663)
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キーワード | エピジェネティクス / エピゲノム / DNAメチル化 / クロマチン / マイクロアレイ / 遺伝学 / 癌 / 発生・分化 |
研究概要 |
エピゲノム解析基盤を確立するため計画通り研究を実施し、以下の成果を得た。1、クロマチン因子によるエピゲノム制御を明らかにするための研究として、メチル化DNA結合タンパク質MBD1の相互作用因子であるMCAF1/AMが、がん細胞においてSp1依存性のテロメラーゼ遺伝子発現維持に関わることを報告した。また、細胞周期のG1期にポリコーム抑制複合体PRC1の結合したクロマチンが再構築されることが、S期への進行に必要であることを報告した。さらに、ゲノム上の境界配列(インスレーター)結合タンパク質CTCFが染色体を結びつけるコヘーシンと協働することを見出し、ヒト遺伝性高脂血症に関わるアポリポタンパク質遺伝子クラスターのクロマチンループ形成とエンハンサー・プロモーター相互作用にインスレーターが関わることを報告した。(中尾)2、我々が開発したMBD1を用いるメチル化DNA濃縮法が効率よく働く条件を設定し、網羅的エピゲノム解析技術に有用であることを示した。この方法を用いてDnmt変異マウスの精巣サンプルを解析する予定であったが、変異マウスの頻度が低かったためサンプルを調整するにとどまった。一方、Dnmtが異常発現する精子幹細胞ではメチル化異常と配偶子形成障害が見られることを報告した。また健常者とICF症候群患者の網羅的メチル化解析を行い、現在詳細なデータ比較を実施中である。(佐々木)3、DNAメチル化の個体差の手がかりを得るためヒト白血球を用いた網羅的解析を行ったが、マイクロアレイで検出できるほどの個体差は見られなかった。また、チンパンジーの白血球とヒト白血球のDNAメチル化パターンをヒト21番、22番染色体のゲノムタイリングアレイを用いて比較した結果、二種間で非常にパターンが似ていることを発見した。しかし、少なくとも5ヶ所のメチル化の違いがあり、本法の有用性が示された。(佐々木)
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