研究課題/領域番号 |
19209018
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
西尾 和人 近畿大学, 医学部, 教授 (10208134)
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研究分担者 |
横手 秀行 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60316122)
荒尾 徳三 近畿大学, 医学部, 医学部講師 (20441074)
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キーワード | 血管新生 / バイオマーカー / 血管新生阻害薬 / 薬剤耐性 |
研究概要 |
研究名「血管新生阻害薬の耐性研究」は、予定通り順調に進行している。 1)血管新生阻害薬耐性血管内皮細胞の樹立 血管新生研究で用いられるHUVEC(正常ヒト臍帯静脈内皮細胞)は5回継代までの有限性の増殖細胞であり、従って薬剤耐性細胞を作成することは不可能である。我々はTERT (テロメラーゼ逆転写酵素)遺伝子を導入することにより不死化HUVECの作成に成功した。その細胞を用いてVEGFR2チロシンキナーゼ阻害剤の長期間暴露による一過性の薬剤耐性細胞を樹立した。次にmutagen処理後に薬物を暴露し、20倍以上の耐性クローンを得ることを試み、現在までに数クローンを得た。これらの細胞に対して親株との比較を行い、薬剤耐性のメカニズムを検討している。 2)マウス薬剤連続投与モデルにおけるCEPの変化 CEP(循環血液中血管内皮前駆細胞)はVEGF刺激を受け局所の成熟血管内皮細胞へ分化していくことが知られており、VEGFシグナルを遮断する血管新生阻害薬のバイオマーカーとしての意義を検討している。具体的にはマウス実験動物系においてマウスの血液200uLあるいはマウス骨髄をサンプルとして、CEPをflowcytometryで高感度に評価できる系を確立した。次にVEGFR2テロシンキナーゼ阻害剤を暴露し、CEPの数がどう変動するかを検討している。新しい試みとして、ある種の細胞膜面マーカーを用いて薬剤暴露時におけるCEP細胞の細胞状態も評価を行っており、有望な結果が得られている。 3)血管内皮細胞が血管新生阻害薬に誘導される遺伝子群の網羅的プロモーター解析 4)低酸素に誘導性される遺伝子群の検出と網羅的プロモーター解析 不死化HUVEC樹立は完了した。引き続き親株および薬剤耐性株に対する薬剤暴露後の網羅的プロモーター解析および、低酸素誘導性遺伝子群の特定について、現在条件認定を行っている
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