研究概要 |
2010年度は以下の研究実績があった。(1),2010年8月13日~21日にかけてベトナム政府より枯葉剤濃厚汚染地区(いわゆるHot spot)に指定されているPhuCat(Bhlh Dinh省)で前年度に引き続き、ステロイドホルモンと前立腺特異抗原(PSA)を分析するために、50歳以上の男性50名から血液・唾液を採取し、問診を行った。さらに、前年度PSAが高値であった8名については、再測定と泌尿器科専門医による直腸診検査を実施した。続いて、Bien Hoa(Dong Nai省)では生後4-16週の第一子に授乳中の母親58名から母乳・血液・唾液を採取し、更に、問診と乳児の身体計測を実施した。(2),9月12~17日にSan Antonio(Texas,USA)で開催された第30回DIOXrN国際会議で「母乳中ダイオキシン類と唾液中ステロイドホルモンとの関連性について」ポスター発表した。(3),11月28日に当保健学類にてベトナム人研究者等5名を招いて、「ベトナムにおける枯葉剤/ダイオキシン類と健康」についてワークショップを市民公開講座の形で開催した。13題の発表があり、その中で、研究分担者の沢野はGPSを用いて三次元解析や植生の変化を、佐藤はSCEや遺伝子多型解析について発表した。約60名の参加があった。(4),2011年1月にベトナム資源環境省主催で開催されたワークショップ「ベトナムの枯葉剤中のダイオキシン」(Ha Long市)で城戸が招待講演した。(5),2011年3月に開催された日本衛生学会で2題の演題「ベトナムにおける枯葉剤高濃度汚染地域と非汚染地域間のPSAの比較」と「ベトナム枯葉剤汚染地区の母乳中ダイオキシン類と唾液中ステロイドホルモンとの関連性」を発表した。
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