研究課題/領域番号 |
19209030
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松崎 益徳 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60116754)
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研究分担者 |
池田 安宏 山口大学, 医学部, 講師 (00260349)
矢野 雅文 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90294628)
青木 浩樹 山口大学, 医学部, 准教授 (60322244)
山本 健 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50363122)
泉 友則 山口大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00261694)
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キーワード | sarcoplasmic reticulum(SR) / shotgun proteomics / junctional SR / longitudinal SR / calcium / protein phosphatase 1β |
研究概要 |
不全心筋細胞において、細胞内ナノドメイン機能制御を行うための実験システム、ならびに筋小胞体分画調整法を確立した。プロテオーム解析用に精製された心筋細胞筋小胞体(SR)をinuiらの方法に基づいた段階的遠心法+密度勾配超遠心法でlongitudinal SRドメイン、Junctional SRドメインを分離精製し、構成タンパクをショットガンプロテオミクスで同定した。正常心の試料では、ミトコンドリア蛋白、核分画、細胞膜などのコンタミを定量し、プロテオミクスにおける蛋白定量の際に考慮した。Longitudinal SR分画はATP、Mg2+存在下でCa2+負荷を行うとSR内にCa2+が取り込まれ比重が大きくなることからコンタミの少ない試料調整が可能であったが、Junctional SR分画は、30%程度のミトコンドリア膜成分を中心とした蛋白のコンタミがみられた。Longitudinal SRドメインからSR構成蛋白252を同定した。もっとも高頻度に検出された蛋白は、SERCA2a、GRP78、GRP94、sarcalumenin、carsequestrin、phospholamban(PLN)などであった。同定された蛋白の大部分はSRないしendoplasmic reticulum(ER)に豊富に局在することが報告された蛋白で、機能未知の蛋白も30個程度認められた。また、従来からの段階的遠心分離法では、十分なSR分画を得るために100g程度(イヌ心筋1頭分)が必要であったが、購入した自動細胞分画分離装置を使って、少量の筋小胞体を自動的に精製する手法を確立し、マウスやラット心筋からも比較的コンタミの少ないSR分画を精製することに成功した。また従来から解析を行っている蛋白ホスファターゼ1については、PP1βアイソフォームがもっとも筋小胞体分画に多いことを同定した。アデノウイルスを用いたRNAiにより、心筋細胞のPP1アイソフォームをノックダウンするとPP1βがもっともPLNのリン酸化状態を変化させた。PP1βは各種不全心で発現量が増加しており治療標的になる可能性がある。
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