研究分担者 |
清水 弘行 群馬大学, 医学部, 講師 (20251100)
山田 正信 群馬大学, 医学部, 講師 (90261833)
岡田 秀一 群馬大学, 医学部, 講師 (20260474)
橋本 真士 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30396642)
井上 金治 埼玉大学, 理学部, 教授 (50091963)
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研究概要 |
(1)Nesfatin-1受容体のクローニング Nesfatiin-1の添加によりcAMP,CREB-燐酸化,CREB-responsive element-Luc(CRE-Luc)活性化を認めるneuroblastoma cellを,多くの培養細胞の中から発見した。このNesfatiin-1に反応する培養細胞と非反応性培養細胞のDNAマイクロアレアイ解析により,Nesfatiin-1受容体候補としてGPCR-Nが認められた。さらに,約30種類のオーファンGPCRについても,Nesfatiin-1添加後に生ずるcAMPおよびcalcium influxを指標に活性機能を検討した。GPCR-NをHeLa細胞に強大発現してNesfatiin-1を添加すると,確かにcAMPやCRE-Luc活性が認められた。これは脂質をリガンドとする既存の受容体であり,脳内にもそのmRNAが存在することが報告されている。そこで市販の異なる2種類の抗体を用いる免疫組織学的解析を行ったが,マウスの下垂体には免疫染色陽性GPCR-Nは認められるものの,その脳内分布は種々の条件を設定し変更しても認められなかった。Nesfatiin-1は脳視床下部でその摂食抑制効果を発揮するので,もしGPCR-NがNesfatiin-1の真の受容体ならば,視床下部の特に,摂食調節作用神経核の神経細胞に局在している必要がある。 (2)Nesfatin-1特異的ELISAの開発とその測定 Nesfatin-1のN端側およびC端側に特異的な抗体を作成した。これらの抗体を用いてNesfatin-1を0.2ng/mlまで測定可能なサンドウイッチタイプのELISAを開発した。この測定系では既存の摂食調節分子(レプチンやNPY,alpha-MSHなど)は交叉せず、またNesfatin全長も交叉しないNesfatin-1に特異性の高い系である。人空腹時血中の平均値は約1.0ng/mlであり、75gブドウ糖経口負荷では、その血中濃度は変化しなかった。また人肥満者(2名)での血中濃度は正常体重者と比較してむしろ低下していた。現在、30名以上の人肥満者、体重減少者の血中Nesfatin-1濃度を測定する計画である。
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