研究課題/領域番号 |
19209037
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永淵 正法 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00150441)
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研究分担者 |
栗崎 宏憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70403962)
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キーワード | 自己免疫調節遺伝子(AIRE) / 樹状細胞 / B細胞 / 抗原提示 / カンジダ / 慢性自己免疫性膵炎 |
研究概要 |
(1)従来、microbeads法では、AIREを高発現する樹状細胞や活性化T細胞亜分画の90%以上の純化が困難であったが、今回、FACS用いて99%以上のレベルの純化に成功し、その結果、従来明らかにしてきたT細胞や樹状細胞のみでなく、B細胞にも高いレベルのAIRE遺伝子発現を同定しえた。一方、CD8陽性T細胞やNK細胞には発現していないことが明らかとなった。 (2)AIREが相互作用する蛋白、転写因子として機能する標的遺伝子の探索については、まずその発現を免疫染色で検討した。昨年、Affinity Purified anti-AIRE antibodyを用いて、免疫染色によりAIRI導入OTC-4細胞核内にドット状の染色を同定することができた。今回、さらに、EBウイルスとランスフォームB細胞にドット状の蛋白を同定することができた。 (3)AIREが制御するサイトカイン・ケモカイン関連遺伝子については、APECED患者および健常人由来のEBウイルスとランスフォームB細胞で、microarray法でスクリーニングを行ったところ、いくつかの標的候補遺伝子が同定された。そのうち、定量PCR法により、制御されている遺伝子をP450、HLA-DRなど、抗原提示に関る遺伝子群に絞り込んできた。さらにFACSを用いた解析で、この知見が確かめられつつある。 (4)マウスでのAireの発現は胸腺と末梢血B細胞が中心であることが明らかとなりつつある。 (5)Balb/Cの遺伝背景を有するAireノックアウトマウスでは膵外分泌腺の脂肪化が認められ、慢性自己免疫性膵炎のモデルとなりうる可能性が示唆されたのでさらに検討を行っている。 (6)Aireノックアウトマウスにおける感染感受性亢進メカニズムの解析に関しては、カンジダに対する感受性亢進が認められたので、さらにAire欠損かつRag-2 KOマウス、T細胞欠損マウス、B細胞欠損マウスなどのダブルノックアウトマウスでの検討を開始した。
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