研究課題
平成20年度は、GalKOクローンブタの作製継続(目的1)、異種間免疫反応におけるマクロファージ活性の抑制を目的としたブタ細胞へのヒトCD47遺伝導入(目的2)に加え、ブタT細胞免疫アッセイの確立および、臨床を模擬したブタ・サル問異種間膵島移植(目的3)を開始した。○目的1:MGH・GalKOブタ皮膚、肺由来Fibroblastを用いたミニブタクローン胚の作製・体外培養技術を確立した。しかし、GalKOミニブタクローン胚をNIBS系ミニブタに移植したが、妊娠-分娩に至らなかった。その理由として、移植当たりの胚が少数であったこと、レシピエント個体とのシンクロナイゼーションの差異等が考えられた。平成21年度中にはこれら問題点を解決しGalKOクローンミニブタを作出する。○目的2:ブタ内皮細胞に導入したhCD47発現を確認し、ヒト細胞によるブタ細胞食食軽減効果を認めた。またブタT細胞免疫アッセイを確立し、更に異種抗原である糖鎖抗原に対するAccommodation成立にCD59が関与していることを確認した(国際移植学術誌に論文1編掲載済、1編Accept済)。○目的3:H19年度および本年度に得たヒトCD86抗体によるブタ・ヒトT細胞の免疫反応抑制、及びHGFの移植拒絶反応軽減効果の結果を踏まえ、これらを免疫抑制療法に組み入れたブタ・サル間異種膵島移植を開始した。臨床移植を模擬し、鹿児島大学で全身麻酔下ブタ膵臓全摘を行い(山田)、膵臓を定期航空便で京都大学に搬送し膵島分離を行い(興津)、翌日鹿児島大学で事前にSTZでIDDMを誘導したサルにブタ膵島を移植した(3症例)。50-60kgのミニブタから一膵臓当り平均48万IEQの純化(>97%)膵島を分離し、サル一頭当たり約10万IEQ/kgの移植が可能であった。術後2頭をday2、3頭目をday10で犠牲死させ、肝臓内移植ブタ膵島の組織学的検討を行った結果、インシュリン分泌異種ブタ膵島の生着を確認した。術後血糖は一頭を除きインスリン投与なしで制御された。本成果を踏まえ、H21年度は長期観察実験に移行する。
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