研究課題
骨・関節の代表的common diseaseである椎間板変性症/腰椎椎間板ヘルニアの原因遺伝子(疾患感受性遺伝子)の同定、及び椎間板ヘルニアの発症機構、病態の分子レベルでの解明の為に同定した原因遺伝子、疾患感受性多型の機能解析を行なった。その結果、以下の成果を得た。1)Case-control相関解析により、椎間板変性症の原因遺伝子COL11A1を同定した(Mio, et. al.Am J Hum Genet,2007)。COL11A1遺伝子は11型コラーゲン(collagen)を構成する遺伝子のひとつで、COL11A1のある多型の感受性アレルを持つ人は持たない人に比べ、約1.4倍も椎間板ヘルニアになり易いことを明らかにした。更に、この疾患感受性アレルではCOL11A1遺伝子の転写量が2/3程度に低下していることも明らかにした。COL11A1遺伝子を基に作られる11型コラーゲンは、椎間板が変性してヘルニアにならないように保護しており、その転写量が低下すると椎間板ヘルニアになり易くなると考えられた。2)Case-control相関解析により、椎間板変性症の原因遺伝子アスポリン(asporin:ASPN)を同定した(Songetal.Am J Hum Genet、in press)。先に、変形性関節症の疾患感受性遺伝子として我々が同定したアスポリンのD14多型(Kizawa, et. al.Nat Genet,2005)が日本人集団でも、香港周辺の中国人集団でも椎間板変性と有意に相関することがわかった。アスポリンのD14多型は、東アジア人全体の椎間板変性症の疾患感受性アレルと考えられた。
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Am J Hum Genet (in press)
Am J Hum Genet 81
ページ: 1271-1277
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