研究課題/領域番号 |
19209052
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
加我 君孝 国立病院機構, 東京医療センター(臨床研究センター)・臨床研究センター, センター長 (80082238)
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研究分担者 |
山岨 達也 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60251302)
伊藤 健 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50251286)
近藤 健二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40334370)
狩野 章太郎 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00334376)
高橋 宏知 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (90361518)
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キーワード | 聴覚 / 両耳性 / 可塑性 / 人工内耳 / 小耳症 |
研究概要 |
両耳聴の脳内の階層性と可塑性と臨界期の機序を動物実験で明らかにし、かつ臨床で両耳聴を単耳聴と両耳聴の聴覚認知と形成される聴空間の評価なく実施されている状況に介入し、その評価法の提案した。すなわち両側小耳症・外耳道閉鎖に対する片耳及び両耳骨導補聴、先天性難聴児の両耳気導補聴、人工内耳の反対側耳補聴器使用、両側人工内耳などがなぜすすめられるか、その学術的なエビデンスを明らかにし、同時に加齢によっても両耳聴の聴覚認知も聴空間が障害されるのか維持されるのか、老年期の可塑性の変化についても明らかにすることを本研究の目的とした。 動物実験においては、ラットの聴皮質における片側刺激と両耳刺激による周波数別反応部位の同定のプレリミナリーな実験を行った。刺激は音刺激と電気刺激を行う。既に単耳の聴刺激と電気刺激による聴皮質の反応mapについては高橋が中心になって報告した。その聴皮質の記録方法は64チャンネルの多点電極を新たに開発し、音刺激と電極刺激による反応を64チャンネルに同時記録し、両耳聴によって初めて出現する反応部位を同定した。 症例による研究においては、両耳聴ヘッドフォン(気導型と骨導型)を用い、1.コンピュータ化した方向感検査、2.スピーカ法による音源定位検査。無響室で調べ、聴空間の拡がりを研究、3.言語音の両耳聴効果。単音、単語を用いて片耳聴と両耳聴の差を研究、4.両耳分離能効果。Dichotic Listening Testを用いて聞き耳の優位半球を研究、5.音移動認知テスト、6.MEGを用いた生理学的な機能局在の解明、7.聴覚誘発電位、以上より両耳聴により広い聴空間が形成され、発達性の脳の可塑性の羊がかりを得た。
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