3年目は1~2年目の研究に基づき両耳聴の脳内の可塑性と臨界期の解明にターゲットを絞った。 I.動物実験に基づく研究 各年齢の難聴ラットモデルを作成した。そのラットの両耳電気刺激により、1)頭皮上の誘発電位と2)聴皮質の64チャンネル多点電極記録を行い、両耳聴干渉電位の出現聴皮質の部位と、発達期の聴覚学習の可塑性を電気生理学的に探った。3)われわれが開発した超磁歪式骨導刺激による頭蓋の振動をレーザードップラー振動計で測定し、従来から民生用に使われている電磁式の骨導レシーバーと比較した。 II.臨床症例に基づく研究 1)1~2年目に両耳聴検査を行った症例の継続的な検査及び新たな症例を加えて検査することで、両耳聴によって形成される聴空間の可塑性を調べた。 2)西洋音楽を専攻する学生の両耳聴の鋭敏性について、方向感を両耳時間差と音圧差について、分けて調べた。 3)2)と同じ対象者に対してOAEの抑制効果の特徴を調べた。
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