研究課題/領域番号 |
19209053
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
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研究分担者 |
不二門 尚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50243233)
太田 淳 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究所, 教授 (80304161)
大路 正人 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252650)
瓶井 資弘 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40281125)
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50294096)
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キーワード | 網膜色素変性 / 視神経刺激型 / 人工視覚 / 臨床試験 / 視細胞死抑制 / メダカトランスポゾン / ヒト変異ロドプシン / 変異ロドプシントランスジェニック体 |
研究概要 |
網膜色素変性晩期病状に対する人工視覚システムの開発 眼科的手術により網膜色素変性患者の視神経乳頭に刺激電極を埋植した。急性期のみではなく、6ヶ月後、12ヶ月後、それ以降の慢性的な臨床試験を施行できるように、埋植後、電極からのラインを結膜下に留置した。光覚弁のない、すなわちまったく光のわからない眼に対しても、上記臨床試験:視神経乳頭刺激型人工視覚システム(AV-DONE)を施行したが、局所的に再現性のよいホスフェンを得ることができた。この結果は、当システムの有用性を示すものと考える。ホスフェンのサイズはマッチ棒の先からりんご大、形状は円形、楕円形、線状、色は黄色、白色、黄白色とさまざまであった。多くのホスフェンデータを蓄積することに成功したが、今後、慢性経過を通じてより多くのホスフェンデータを集積する。 網膜色素変性初期〜中期病状に対する薬剤の開発(視細胞死抑制) 視細胞における外来遺伝子の強制発現系を得るため、メダカトランスポゾンベースのtol2ベクター基礎として発現コンストラクトを作成した。まず、トランスジェニック体を容易に選択できるよう、臭細胞特異的遺伝子であるompのプロモーター領域3kbpを単離、EGFPとつなげ、マーカー遺伝子としてtol2ベクターに導入した。これにより、変異体は鼻が蛍光下で緑に光ることで選別される。次に、RH1プロモーターを発現カセットとしてもち、さらに、挿入遺伝子部にGatewayシステムのカセットをもつベクターを開発した(pLompdest)。さらにこれにヒト変異ロドプシン(Q344X)を導入し、受精卵に微少注入しGO体を得、これを交配、鼻に蛍光を認めるF1体をRT-PCR解析したところ、ヒトロドプシンの発現を認めた。これにより、変異ロドプシントランスジェニック体を得ただけでなく、pLompdestにライブラリーを導入し、生体による発現スクリーニングをおこなう準備が整った。
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