研究課題/領域番号 |
19209053
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
不二門 尚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50243233)
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研究分担者 |
瓶井 資弘 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (40281125)
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (50294096)
辻川 元一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70419472)
坂口 裕和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80379172)
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キーワード | 網膜色素変性 / 視神経刺激型 / 人工視覚 / 臨床試験 / 視細胞死抑制 / フォトトランスダクション / ロドプシン |
研究概要 |
網膜色素変性初期~中期病状に対する視細胞死抑制の研究 第一年度棚発した網膜桿体細胞特異的強制発現系を用いて、前年度作成したヒトロドプシンのQ344Xトランスジェニックフィッシュは視細胞選択的にアポトーシスを起こしており、ヒト網膜色素変性のモデルとして適当と考えられた。このQ344X変異体はシリア変異体ovlと同様にロドプシンの局在異常をしめし、また、視細胞死は光感受性を示した。この機能に関してはovlと同様にトランスデューシンの位置で視細胞死のシグナルと関連し、アデニレートシクラーゼの活性によるcAMPの上昇が強くかかわっていると考えられた。また、同様の系を用いて日本人に認められるG106R, G188R, K296E変異ほか3変異、欧米で多いP23H変異のトランスジェニックをすでに作成しており、現在これらとロドプシンEGFPラインを掛け合わすことにより、視細胞を単離する準備をおこなっている。これは下流の視細胞死シグナルの検討とその阻害薬の開発に重要であり、また、患者と同変異を持つ魚は治療の評価モデルとしても使用できると考えている。 網膜色素変性晩期病状に対する人工視覚システムの開発(視神経刺激型人工視覚) 我々は、既に視神経乳頭に刺激電極を埋植した網膜色素変性患者に対して、経時的に電気刺激試験を施行し、データの蓄積を行った。手術室での施行のため、再現性の確認は困難であったが、埋植されたいずれの電極を介した刺激においても、経過期間中、患者はフォスフェンを自覚することが可能であった。また、視神経乳頭刺入型電極のコーティンク材料、電極デバイスの改良を行い、多数の電極を比較的容易に視神経乳頭に設置できる方法を開発し、実際に、動物眼で確認した後、患者に適応させた。平行して、対象患者の募集を行い、今後選別をすすめる予定である。また、体内埋植装置の埋植手術方法についても人工内耳埋植手術を実際施行しておられる先生方と合同で検討し、慢性臨床試験に向けての準備をすすめている。
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